NISA・投資

NISAで10万円損したら、ほかの株の利益と相殺できる? 損益通算と投資枠の違い

知っておきたい王道のお得🔰 投資初心者向けNISA・税金・証券口座

Q. NISAで確定した売却損を、課税口座の利益から引ける?

情報確認日:2026/10/20定期確認

先に結論

NISA口座で確定した売却損は、課税口座の利益と損益通算できず、翌年以降への繰越控除もできません。一方、課税口座の対象損失は要件・申告手続きにより通算・繰越できる場合があります。NISAで売却後に非課税保有限度額を翌年以降再利用できることは、税務上の損失控除とは別の仕組みです。

NISAの損失は税務上の通算に使えない

利益が非課税でも、損失は別

国税庁はNISA口座の売却損を税務上「ないもの」と扱い、課税口座の配当等や売却益との損益通算・繰越控除はできないと説明しています。投資で失ったお金が戻るという意味ではありません。

含み損と売却損を分ける

含み損:まだ売却していない

買った価格より現在の評価額が低い状態です。まだ売却して損失を確定していません。

売却損:売って損失が確定

取得費・手数料等を踏まえ、売却により損失が確定した状態です。この記事の損益通算・繰越控除は、確定した売却損を中心に説明しています。

課税口座でも、何でも自動で相殺できるわけではない

同一の源泉徴収あり特定口座内

同じ口座の対象となる上場株式等の譲渡損益は金融商品取引業者等が計算します。その口座に受け入れることを選択した対象の配当等と譲渡損失は、口座内で通算される場合があります。受入れ設定・対象所得を確認してください。

他の口座や配当等と通算する場合

他口座の対象譲渡損益との通算は確定申告が必要です。対象となる上場株式等の配当等との申告による通算では、配当所得は申告分離課税を選択する等の条件があります。給与など別の所得まで自由に相殺できる制度ではありません。

課税口座の対象損失は、翌年以降3年間繰り越せる場合も

連続した申告などの要件あり

対象となる上場株式等の売却損が残った場合、必要書類を添えた確定申告と、その後も連続した申告により、翌年以降3年間の対象利益・配当等から控除できる場合があります。取引がなかった年も繰越しの申告が必要です。NISA口座の損失には適用できません。

非課税保有限度額の再利用は、損益通算とは別

戻るのは取得価額分の総枠

NISAの商品を売ると、取得価額(買った金額)分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。例えば100万円で買い90万円で売った場合、再利用できる総枠は100万円分で、10万円の損を他の利益から控除できるわけではありません。

年間投資枠が同じ年に復活するわけではない

総枠の空きと年間投資枠は別です。成人向けの年間枠はつみたて120万円・成長240万円、総枠は1,800万円(成長枠部分1,200万円)。翌年以降も年間上限の範囲内で利用し、その年の使用済み年間枠は売却しても戻りません。

この比較だけで口座の有利・不利は決まらない

損失時の税務を理解するための例

NISAには対象利益が非課税になる特徴があり、課税口座との違いは損失時だけではありません。「NISAは不利」「課税口座の方が得」という結論ではなく、目的・商品・運用リスクとあわせて制度を理解するための説明です。

かんたん整理

  • 同じ年に、対象となる上場株式等の課税口座の売却益+100,000円と、別取引の確定した売却損−100,000円がある条件付きの単純例です。
  • 他の所得・損益・控除・手数料等を考慮しません。課税対象利益に20.315%が適用される場合を仮定し、実際の税額計算とは差が出る場合があります。
  • 口座区分、配当の扱い、他口座との通算方法で手続きが異なり、確定申告が必要になる場合があります。課税口座のケースは通算の要件を満たすことが前提です。

ケースA|売却損がNISA口座

課税口座の売却益+100,000円に、NISAの売却損−100,000円は通算できません。課税対象利益の単純例は100,000円のまま。100,000円×20.315%=概算20,315円です。

ケースB|売却損も課税口座

対象取引・必要手続き等の通算要件を満たす場合、100,000円−100,000円=課税対象利益0円、概算税額0円です。課税口座なら何でも自動で相殺できるという意味ではありません。

この条件での税額差|20,315円

20,315円−0円=20,315円。約2万円の差はこの仮定例の結果で、NISAより課税口座が有利だと一般化できません。

ここに注意

  • NISAの売却損は通算・繰越とも不可含み損があるだけの状態と、売却して損失が確定した状態を区別します。NISAの確定損失は確定申告をしても通算・繰越の対象にできません。
  • 課税口座にも対象・申告条件あり対象となる上場株式等の取引が前提です。相対取引等による対象外の損失もあり、一般株式等や給与などと一律に通算できません。申告分離課税や口座内の配当受入れ等を確認してください。
  • 3年間、自動で使えるわけではない繰越控除は必要な申告・書類と申告継続等が条件です。取引がなかった年も確認が必要です。申告による他の税・保険料等への影響も含め、個別の扱いは国税庁や税務署等へ確認してください。
  • NISAでも投資損失は起こる非課税制度は元本保証ではありません。税金だけを理由に売買・口座選択を決めず、資金・投資目的・商品リスクを確認してください。

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